日本語センター
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日本語教師ってどんな仕事?第16回  日本語は本当に難しいのか?
2015-08-03 Mon 18:57
「日本語教師をしています」と日本人に話すと、よく返ってくる反応が、
「日本語って難しいですよね~」というもの。
正直なところ、この反応には戸惑ってしまいます。
「そうかな・・??日本語って、本当に難しいのかな?」と。

日本語教師であり、フランス語教師でもある野口恵子さんが、ご自身の著書
「かなり気がかりな日本語」(集英社新書)でこんなことを書いています。


日本語が難しい」というのは神話である

(以下、本文から引用)
 「日本語が難しい」というのは、一部の日本人が信じている、あるいは
  信じたいと思っている神話の一つである。
  (中略)
 「外国語としての日本語」という視点から母語を眺めたときにそれまで
 知らなかった、というより意識していなかった日本語のしくみに目を開か
 されることはありうる。
その感想が「日本語は難しい」「日本語は奥が深い」
 ではあまりにも短絡的だ。
 (中略)
 また、まことしやかに伝えられる「日本語は世界で一番難しい言語」という
 虚妄を信じることは、たとえ本人が意識していなくても、
 「外国人にはこの奥深い日本語をマスターすることは到底無理だろう」という
 優越感の裏返しである。その証拠に、
 外国人学習者は「日本語はそんなに難しくない。(後略)」と話す
 (中略)
 この難しい」という形容詞は十分に理解しているつもりだったことを
 実はよく把握していなかったとわかったショックから出た言葉
であり、
 一種の照れ隠し、もしくは責任転嫁ともとれる。


う~ん。同感です。
日本語教師になる前、そして、日本語教師の勉強をしている時、
何度も「日本語は難しい」と思い、口にしました。でも、そういう時は
確かに「日本人なのに答えられなかった自分への照れ隠し」が多分にあった
と思います(今でも、「難しい」と思うときは、そういう心境の時です)。

実際、私の教えてきた生徒たちも「日本語は簡単」、「英語よりはるかに簡単」
という人は多いです。
日本語教師は、この「難しい」という言葉に表現される「自分自身への言い訳(?)」をせず、「外国語としての日本語」を考えていくことが、求められる
のかと思います。


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日本語教師ってどんな仕事?第15回 「なぜ?」を考える習慣が必要です。
2015-07-27 Mon 16:19
「日本語教師」という言葉を聞くと、外国とのつながりが多く、
日々、外国人に囲まれた生活・・という華やかなイメージを
持つ方も多いようです。

しかし、実は日本語教師は地味な仕事です。

とはいっても、教室の中や、学習者とのコミュニケーションの場で
地味にしているということではありません。
むしろ、そういった場面では、「楽しくて、華やか」な仕事です。

では、どんなところが「地味」かと言うと、
教壇に立つための準備をしている時間が大変地味なのです。

どういうことか?
それは、「日本語」について
ひたすら「なぜ?なぜ?なぜ?」と自問自答する作業が求められるからです。

新聞のとある記事によると、トヨタ自動車では「なぜ?を5回考えること」が
求められるそうですが、日本語教師も同じです。
自分が教えようとしている日本語について、常に「なぜ?」を考えることが
要求されます。
それは、
その「なぜ?」は、外国人が日本語に対して感じる「なぜ?」だからです。

この「なぜ?」を考える作業。
はっきり言って、根気が要ります(泣)。
まるで、禅問答のようです・・・(涙)。
大抵は、辞書に答えは書いてありませんし、参考書もほとんどありませんから、
自分でどうにかするしかないわけです・・・。

しかし、そこで諦めて「昔からそう言うの!」と投げ出してしまうことは、
「外国人の立場になって日本語を考えることを投げ出すこと」に繋がります。
つまり、そうなったら「日本語教師」ではなく、ただの「日本人」だという
ことです。

日本語教師を目指そうという皆さん。
このなぜ?」を考える習慣を大切にしていきましょう!!


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日本語教師ってどんな仕事?第14回  広告は宝の山です。
2015-07-21 Tue 18:42
一気に「夏本番!」といった感じですね。
皆さま、連休はどこかにお出かけになったでしょうか。

さて、「日本語教師ブログ」。昨日は休日でしたので、本日、更新です。
(昨日、ご訪問してくださった皆さま、申し訳ありませんでした)

本日のテーマは「広告は宝の山です」ということで、
日本語教師の必須アイテムである「教材について、ご紹介します。

日本語を日本語で教える私たちですから、授業では、何かを単語を一つ教える
にしても、それが何かわかるような「教材」を用意します。
例えば、「鉛筆」を教えたいなら、「鉛筆」の実物を見せるというように。
学習者にとって「実物」はとても分かりやすい教材です。

しかし、実際のところ、「実物」で用意できるものは数が限られています。
そこで活躍するのが写真や絵」の教材です。

自分で写真をとったり、絵を描いたりする先生もいますが、それは少数派。
多くの日本語教師は、新聞の折り込み広告や、通販のカタログ、
家電製品のパンフレットなどの写真を教材に変身(?)させて、
活用しています。

例えば、こんな風に。
手作り絵カード


ですから、休日の新聞はとても楽しみ!
なぜなら、いつもより多めに折り込み広告が入るからです。
家電量販店も、日本語教師にとっては「教材の宝箱」です。
また、一般的には、迷惑がられるポストへの投函チラシも、
日本語教師にとってはうれしいもの。
商品の内容よりも、まず、「これ、授業で使えるかな?」と考えています。

これから日本語を教えてみようかな・・と考えている皆さん。
今のうちから少しずつ広告やパンフレットをためておいてください
「欲しい」と思ったときに限って、その広告は入ってこないものです(笑)。
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日本語教師ってどんな仕事?第11回 日本語教師に求められるもの(1)
2015-06-29 Mon 18:16
先週からスタートした「日本語教師に求められるもの」シリーズ。
今日からいよいよ本格的にスタートです。

その第1回目は、ズバリ!
日本語教師の頭の中」です。

皆さんは「日本語教師の頭の中」ってどうなっていると思いますか?

・国語辞書が1冊入っている(いわば、「歩く国語辞書」)
・テレビの「日本語」クイズに全問正解できる(=日本語オタク

とイメージしますか?
(というより、そうでなければ、教えられないと思っていますか?)

もし、そんなイメージであれば、それはちょっと違います

日本語教師だって、辞書は引きます(常に手元において、調べています)。
日本語教師だって、テレビの日本語」クイズに間違います
(知らないこともたくさんあります)。

特に、『テレビの「日本語」クイズ=日本語教師が教える日本語』という
イメージをお持ちの方に伝えたいのは、
あの内容を教える場面はほとんどありません!」ということです。

私たち日本語教師の頭の中には、あのクイズより、
もっと、もっと根本的なことがたくさん入っています。

例えば、先週金曜日のブログに書いたように「ある」と「いる」の違いとか、
「これ」、「それ」、「あれ」ってどういうふうに使い分けているの?とか。
(今度、機会があるときにブログで触れたいと思います)

つまり、
普通の日本人なら「当たり前」過ぎて、国語辞書すら引かないような言葉や
テレビの番組担当者が「クイズ」にしようとも思わない「普通の」言葉について
のルールや使い分けが頭の中に入っています。

なぜなら、
外国人はそういった『日本人にとって「当たり前」で「普通」の言葉』が
「なぜ?どうして?」だからです。

ですから、日本語教師の頭の中は
普段、私たちが無意識に使っている日本語についてのルールと使い方
が入っているのです。

次回は、その頭の中について、もう少し詳しくお話します!



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日本語教師ってどんな仕事?第10回 日本語教師に求められるもの(導入編)
2015-06-22 Mon 12:42
色とりどりの紫陽花が梅雨のうっとうしさを忘れさせてくれますね。

さて、これまで色々な角度から「日本語教師ってどんな仕事?」ということで、
語学力や年齢、前職などは問わないことをお話してきました。

今日の第10回からは、ズバリ!!
日本語教師に求められるもの
について、お話したいと思います。

このブログをずっと読んでくださっている皆さまは、
もうご存知かと思いますが、改めて言います。

日本語を「話せること」と「教えられること」は
全くの別もの
です!!!

では、具体例として、皆さまがほぼ毎日「話している」と思われる挨拶
「こんにちは。」
を教えてみましょう。

さて、「こんにちは。」の使い方、何と教えますか?

昼、人に会った時に言う挨拶

と考えた方。
おめでとうございます!
あなたは「普通の日本人」です!
でも、日本語教師」ではありません

では、「普通の日本人」であった方、次のことを考えてみてください。
① 「昼」って何時~何時までですか?
② 冬の夕方5時に「こんにちは。」と使っていますか?
③ 「人に会う」って、自分の家族に会った時にも言いますか?
④ 同じ人に同じ日に2回会ったとき、2回目も「こんにちは。」と
  言っていますか?

さて、みなさん。どうですか?

これが話せること」と「教えられること」は全くの別もの
ということなのです。

今日は「導入」としての「普通の日本人」と「日本語教師」の違いを
ほんの少し体感していただきしました。

来週月曜日からは、もっと具体的に「日本語教師に求められるもの」について
紹介していきますので、ぜひ、訪問してください!!
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日本語教師ってどんな仕事?第8回 日本語教師の魅力って?~その1~
2015-06-08 Mon 12:06
外国人に日本語を教える「日本語教師」。
人に何かを教えるという仕事ですから、授業準備や、教材作成など
人に見えないところでの努力、苦労も実はたくさんあります。

しかし、不思議なことに日本語教師になった人たちからは、

今まで、日本語教師をやめようと思ったことはありません
一度、この仕事を体験してしまうと、どんどんハマってしまう

という声が多く寄せられます。


そんな「日本語教師」の仕事の魅力を先生方に聞いてみました。

・世界中に知り合いができる!
 (将来の夢は、教え子を訪ねて「日本語で」海外旅行をすること♪)
・聞いたことも、見たこともない国の人たちに出会える。
・年齢、国籍、性別に関係なく、様々な人たちと交流できる。
・学習者の数だけ、新しい文化、価値観に出会い、世界の面白さを実感する。

という「世界を肌で感じる」魅力を語る先生方もいます。

他には、

・うれしくて涙を流せる仕事。
 (学習者が目標達成したときに、一緒に涙を流して喜べるんです!)
・日本語研修が終わった後も、「人と人」として、一生お付き合いができる。
・同じ目標に向かって、一緒に努力し、それを叶えた時の感動を分かち合える
 仕事。

など「人と人とのつながり・絆」を魅力にあげる先生方もいます。

他にも、

・いままで当たり前と思っていた事が外国人にとっては「なぜ?」
 「どうして?」となり、「日本語」、「日本」、「日本人」について
 再発見できる。
・世界から見た「日本の良さ・おもしろさ」を知ることができる。

という「日本再発見」の機会が多いことを魅力という先生も。

こう挙げてみると、日本語教師という仕事の魅力は「一方通行」ではなく、
双方向の交流・刺激」、「人と人とのつながり」というのがキーワード
のようですね。

他にも、たくさん魅力がありますので、それはまた来週15日(月)に!

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