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「゛」と「゜」は便利なマーク?!
2015-09-30 Wed 17:02
日本語の文字には、濁点(゛)と半濁点(゜)を使う文字がありますが、
これを教えると『日本語の「゛」と「゜」はとても便利なマークですね』
と言う外国人が多くいます。

どうして、そんな感想がでるかというと、
「か」+「゛」→「が」
「は」+「゜」→「ぱ」

と教える方法に原因があるようです。

こういう教え方をすると、外国人には、「が」や「ぱ」は、「か」や「は」など
基本の音にそれを変化させるマークの「゛」、「゜」がついた文字と見え、
発音のイメージがしやすいのだそうです。
(ある学習者は『「゛」と「゜」は音符の「♯」と「♭」のマークみたいですね』
と言ってました。)

そんなある日、英会話の先生たちのクラスで、彼らがこう言ってきました。

『先生、日本語には「゛」、「゜」という便利なマークがあるのに、どうして、
日本人は英語の発音が下手なの
ですか?そのマークを使えば、簡単に分かる
英語の発音があります』と。

英語の苦手な私は意味がわからなかったので、
「どういうこと?」と聞き返しました。

彼ら曰く、
『日本人は「Boy」を「B゛oy」のイメージで発音していると思います。
でも、アメリカに行ったら、「B゜oy」のイメージで発音しないと、
通じませんよ』とのこと。
(うーん。確かに私は「B゛oy」のイメージで発音しています・・・。)

そのほかにも、日本人が苦手な「L」と「R」、「F」、「P」などの発音も
この「゛」と「゜」のマークで違いをイメージさせることができる
そうです。
英語の専門家ではない私には、どういう感覚なの想像できませんが、
そのクラスの英会話の先生たちは、
『すごい!すごい!「゛」と「゜」は便利!!』と興奮していました。

日本人は「が」は最初から「が」の一文字と考えるため、「゛」や「゜」を
そんな風に見ることはなかなかできないと思いますが、外国人から見ると、
とても便利なマークのようです。

★おまけ★
実は昔の日本語には「が」という文字は存在していませんでした。
(百人一首の取り札や古典の原文には「゛」、「゜」の文字ってないですよね)
しかし、「が」という音は存在していました。そのため、文字として「か」と
書いても、「が」と発音してほしいときは、「か」の左下に「・・」と打って
いたそうです。それが、江戸時代頃から今のように「・・」を右上につける
ようになり、「が」という書き方で固定したんだそうです。
(秀英出版『国語要説』参照)


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「先生のせい」?「先生のおかげ」?
2015-09-28 Mon 21:43
ジョンさん:先生!
      昨日、日本人の友達から「日本語が上手になったね」
      と言われました。
新米先生:そう!それは良かったわね。
ジョンさん:はい!先生のせいです。ありがとうございます。
新米先生:・・・・。先生のせい
     ジョンさん、そういうときは「先生のおかげ」でしょう?
ジョンさん:せんせいのおかげ?どうして?


皆さんが新米先生だったら、「先生のせいです」と言われた時
やはり「ん?」と思いますよね。
そして、少し嫌な気持ちになるかもしれません。

では、なぜ「嫌な気持ち」になるのでしょうか。

実は、この「~せいで」というのは、
自分以外の人・物事が原因で自分が被害や不利益を被った時に使う言葉です。
つまり、「よくない結果、悪い結果の原因はあなただ」と言いたい時に、
私たち日本人は「~せいで」を使っています。
ですから、Aさんが「あなたのせいで」とBさんに言った時、
Aさんのマイナスの心情を聞き手であるBさんは感じ取って、
嫌な気持ちになるのです。

それに対して、「~おかげ」は、「~せいで」と同様、
「自分以外の人・物事が原因」であることを表しますが、
よい結果がもたらされた時に使う言葉です。
つまり、「~せいで」の正反対にあるのが「~のおかげ」というわけです。

ということは、今回のジョンさんの場合、「日本語が上手になったね」と
褒められた(よい結果)→その原因は「先生」ということを言いたいわけですから、「先生のせいです」ではなく、「先生のおかげです」というのが正解です。


最近は、「~おかげ」と「~せいで」の使い方が変な会話を耳にすることも
増えてきました。
しかし、この二つの言葉はどちらも「自分の心情」を表す言葉で、
聞き手も無意識にその心情をキャッチしますから、正しく使い分ける方が、
人間関係がスムーズに行くかもしれませんね。


◆◇◆ 次回(10/6)予告 ◆◇◆

ジョンさん:先生。
      辞書で「~ので、・・」と「~から、 ・・」を調べましたが、
      両方「原因・理由」と書いてあって、分かりません。
      例えば、会社に遅刻した時、
      「電車が遅れたので、遅刻しました」と言うのと、
      「電車が遅れたから、遅刻しました」と言うのは同じですか?
新米先生:ええ。同じですよ。
ベテラン先生:ちょ、ちょっと待って!新米先生!!
      「ので、」と「から、」は同じではありませんよ!!
      「ので、」と「から、」。どちらを使うかで、
      上司に怒られる場合があるんですよ!!
新米先生:えっ!!そうなんですか・・・・。


さて、皆さん。
「ので、」と「から、」。
何が違うのでしょうか。

答えは、来週月曜日に。


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「~のほう」は敬語?
2015-09-24 Thu 18:41
皆さん、シルバーウィークは楽しく過ごされましたか?
(「シルバーウィーク」という言葉はすっかり市民権を得たようですね)

さて、「日本語教室からこんにちは!」は昨日が祝日だったので、
今日更新です。

あるネパール人学習者のインタビューテストをしていた時のことです。

私はネパールのほうから参りました。
今、●●(会社名)のほうで働いています。
「みんなの日本語」の第20課のほうまで勉強しました。
・・・・と「~のほう」を連発する学習者がいました。

テストの後で「~のほう」の使い方がおかしいことを指摘すると、
『え?!「~のほう」は敬語ではありませんか?日本の店でよく聞きます。』
との返事が返ってきました。

う~ん・・・・。
確かに店ではこの「~のほう」を聞きますよね。
一部マスコミでは「バイト敬語と呼ばれているぐらいですから、
何も知らない外国人が聞いたら、「~のほう」をつけると丁寧な表現になると
勘違いしても仕方ないのかもしれません。

「~のほう」はTVや新聞などで「気になる日本語」として取り上げられる言葉
ですが、何も「~のほう」を使った表現の全てが間違いというわけではあり
ません。
「物事をぼかして言ったり、遠まわしに言ったりする」時や
「何かと比較して一方を選ぶ」時に使うのは本来の使い方で、正しいのですが、
そういう必要・対象がない時に使うと、いわゆる「耳障りな日本語」と指摘
されてしまうのです。

ネパール人の彼の場合は、正しい使い方も知っていましたが、普段利用する
スーパーや飲食店でよく耳にする「~のほう」を聞いて、
「~のほう」=「店員が使う言葉」=「敬語」と勘違いしてしまったようです。

外国人に勘違いされるほど日本の店で「~のほう」が使われているのか
わかりませんが、皆さんも機会があれば、気をつけて聞いてみてください。

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横断歩道「で」歩きます?
2015-09-18 Fri 14:24
新米先生:ジョンさん、この作文の日本語は変ですよ。
    「私は横断歩道歩きます」って・・・。
ジョンさん:え?どうしてですか?
      だって、「ご飯をレストラン食べます。」、
      「テレビを家見ます。」、「本を図書館読みます。」・・。
      先生は「場所の言葉+で+動詞と教えましたよ。
     「歩く」は動詞だから、「横断歩道で」でしょう?
新米先生:う~ん。そうですが・・・。
     日本人は普通「横断歩道歩きます」と言います。
ジョンさん:横断歩道「を」?
      どうして???

さて、皆さん。
どうして「横断歩道歩く」というと変な感じがするのでしょうか?

実はこの場合、ポイントになるのは、「どんな動詞を使っているか」
という点です。

確かに、新米先生がジョンさんに教えたように、何かの動作をする場所を
表す時は、「場所の言葉+で+動詞」で日本語は表現します。
しかし、その「+動詞」が、「渡る、通る、歩く、走る・・・」など移動を
表す動詞の場合、その移動する場所は「で」ではなく、「を」を使って示す

というルールが日本語にはあります。

例えば、
「川渡る」とは言いますが、「川渡る」とは言いませんよね。
また、「道通る」とは言いますが、「道通る」とは私たち日本人は
言わないはずです。
なぜなら、「渡る」も「通る」も、ある地点からある地点への移動を表す
動詞だからです。

私たち日本人はこういった「を」や「で」などの「助詞」の使い方を
子供の頃から体得的に身につけてきていますので、いざ説明する
となると「え~っと・・・。」と困ってしまうのですが、だからといって、
日本人は適当に助詞を選んで使っているわけではありません。

「助詞」というと、国語の時間の文法を思いだし、苦手意識を持つ日本人も
多いですが、「どんなルールで使い分けているんだろう」という視点から
見ると、今までとは違う世界が見えてきて、面白いかもしれませんよ。


◆◇◆ 次回(9/28)予告 ◆◇◆

ジョンさん:先生!
      昨日、日本人の友達から「日本語が上手になったね」
      と言われました。
新米先生:そう!それは良かったわね。
ジョンさん:はい!先生のせいです。ありがとうございます。
新米先生:・・・・。先生のせい
     ジョンさん、そういうときは「先生のおかげ」でしょう?
ジョンさん:せんせいのおかげ?どうして?

皆さん。
確かに「先生のせい」は変ですね。
「せい」と「おかげ」何が違うのでしょうか。

答えは、9月28日(月)に!





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自分のことに置き換えてみると・・・
2015-09-16 Wed 19:20
仕事でAJLTAの日本語教師の方と話す機会がありました。

その方が「日本で日本語が話せるようになると、外国人はどのぐらい
自由になるか」ということを次のような例え話で話してくれました。

********************************

私は免許がないので、車の運転ができませんでした。
だから、家から遠いスーパーで安売りをしている時、「あー、これ欲しいな」
と思っても、ずっと我慢してきました。

どうしても欲しいときは、主人の都合を伺いながら「車、運転して」とお願い
して、買い物に行きました。こうすれば、確かに物は手に入るけど、主人に
気を遣いながら、お願いするという点では不自由でした。
そして、主人がいない時は、やはり我慢しなければなりませんでした。

でも、最近、運転免許をとったんです。
そうしたら、自分が「こうしたい」と思ったときに、自由に行動できるように
なって、とてもうれしかったです。30年間我慢していたことから解放される
喜びですね。


この話の
「運転できない私=日本語が話せない外国人」、
「主人=通訳してくれる日本人」、
「運転できるようになった私=日本語が話せるようになった外国人」

と置き換えてみてください。

そうすると、日本で暮らす外国人の気持ちが少し想像できるでしょう?

私の場合は、「車」だったけど、
外国人は「言葉」。24時間、365日、「我慢」が続くかもしれないのよね。

********************************

この話を聞いたとき、「あ~、なるほど!」と思いました。
実は私もペーパードライバーの為、運転できません。
だから、この先生の「我慢」が良く分かるのです。
そして、これが「言葉」となったら・・・と考えたら、日本で生活する外国人の
気持ちが、前よりも想像しやすくなりました。

「通訳」もいいかもしれないけど、それは結局、その場しのぎ。
本当の便利さや自由はな
んだなぁと。

皆さんも、
「自分のできないこと」、
「だれかに頼まないとできないこと」、
「自分でできるようになったこと」
に置き換えてみると、日本で暮らす外国人の気持ちがリアルなものとして、
感じられるかもしれません。


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赤い、青い、緑い???
2015-09-14 Mon 14:35
新米先生:今日は「色の言葉」を勉強します。
     赤、青、白、黒、茶、黄、緑、紫・・・。
     これは赤い鉛筆です。
     これは青い鉛筆です。これは白い鉛筆です。では、これは?
ジョンさん:(赤い、青い・・。色の名前+「い」だから・・・)
      それは黒い鉛筆です。
新米先生:そうです。では、これは?
ジョンさん:それは茶い鉛筆です。
新米先生:いいえ。茶色い鉛筆です。
ジョンさん:茶色い?
新米先生:はい、そうです。茶色いです。
     では、これは?
ジョンさん:黄い?黄色い?鉛筆・・・。
新米先生:黄色い鉛筆です。では、これは?
ジョンさん:緑い?緑色い?鉛筆・・・。
新米先生:いいえ。緑の鉛筆です。
ジョンさん:緑の?!?
新米先生:はい、そうです。緑の鉛筆、紫の鉛筆、ピンクの鉛筆・・・。
ジョンさん:・・・・・。先生、質問があります。
      日本語は何色の時「~い」、「~色い」、「~の」と言いますか?
      ルールを教えてください。
新米先生:えっ!!ルール・・・。


ジョンさんの質問。もっともですね。
赤い、青い、白い、黒い・・ときたら、誰でも「色の名前+い」だと
類推しますよね。
そこに「茶色い、黄色い」と「色の名前+色+い」というのが出てきたら、
『じゃあ、緑は「緑い」か、「緑色い」かのどちらかだろう』と類推すると
思います。
ところが、緑は「緑の」だと言われたら、いったいどんなルールがあるの?
と疑問に思うのは自然の流れです。

「色」は普段の生活でも頻繁に使いますから、日本語を勉強する外国人も
早く知りたいと思う言葉の一つです。
その際に外国人のうんざりさせるのが、この「+い、+色い、+の」の使い分けです。

色の数はそれこそ何万とあるそうですが、日本工業規格(JIS)では298色
名前のある色として規定されています。
ということは、外国人はこの298色それぞれを「+い」か、「+色い」か、
「+の」かを覚えるのか・・・というと、実はそうではありません。
この「+い」、「+色い」、「+の」にはルールがあります。

「色の名前+い」の言葉がある色は、赤・青・白・黒の4色だけです。
「色の名前+色+い」の言葉 がある色は、茶・黄の2色だけです。
その他の色は全部「色の名前+の」で表現します。
(もちろん、「赤の、青の、茶の」という言い方もありますが、ここでは
「+い」、「+色い」の表現ができるかどうかという点に注目してください)


つまり、日本語では298色中4色だけが「+い」、2色だけが「+色い」
の表現を持つ
ということです。


ちょっとびっくりしませんか?
私はこのルールを教えてもらった時に「ガーン!私は日本人なのに、日本語を
知らないんだ!」とショッを受けました。
ちなみに、外国人はこのルールを知ると、「おお~!!!」と歓声をあげます。
(「あ~、よかった。6色だけ覚えればいいんだ~」という気持ちから来る
「おお~!!」のようです)

私たち日本人は、いったい誰にこのルールを教わったのでしょうか?
不思議ですね。

(なぜ、「赤・青・白・黒、黄、茶」の6色だけ?ということについては語源や
言葉の歴史などと関係があるため、ここでお話すると、とても長くなるので、省略しますが、気になる方は「日本語 色の形容詞」と入力してインターネットで
検索してみると色々な説が紹介されていますよ)


◆◇◆ 次回(9/18)予告 ◆◇◆
※次回月曜日は祝日のため、9/18(金)に更新します。

新米先生:ジョンさん、この作文の日本語は変ですよ。
    「私は横断歩道歩きます」って・・・。
ジョンさん:え?どうしてですか?
      だって、「ご飯をレストラン食べます。」、
      「テレビを家見ます。」、「本を図書館読みます。」・・。
      先生は「場所の言葉++動詞」と教えましたよ。
      「歩く」は動詞だから、「横断歩道」でしょう?
新米先生:う~ん。そうですが・・・。
     日本人は普通「横断歩道歩きます」と言います。
ジョンさん:横断歩道「を
      どうして???

さて、皆さん。
どうして「横断歩道で歩く」というと変な感じがするのでしょうか?

答えは、今週金曜日に!

  



      
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