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女の人はいません。おばさんはいます。
2016-02-10 Wed 21:25
あるプライベートレッスンの時のことです。

私  : あなたの会社に女の人がいますか。
学習者: いいえ、女の人はいません。
私  : 本当に?男の人だけですか。
学習者: いいえ。
私  : え??でも、女の人はいないんですよね。
学習者: はい。女の人はいませんが、おばさんはいますよ。
私  : ・・・・・。

一瞬、固まりました・・・。
私も世間一般では「おばさん」と言われる年代なだけに・・・。
この学習者の中では「女の人=若い女性」という定義になっていたようで・・。
さすがに、自分が「女の子」だとは考えませんが、「女の人ではない」と
言われると、苦笑いです。

他にも、誰にどう教わったのか知りませんが、「あの女は先生です。」といつも
「女」を使っている学習者もいました。
「あの女は」なんて言われたら、大抵の日本人は怒りますよね・・・。

日本語には「女」、「女の人」、「女性」、「女子」、「婦人」と色々な
言い方
があるので、外国人にとっては使い分けが難しいようです。


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「森」と「林」の違い
2016-02-08 Mon 18:11
「先生、森と林の違いは木の数ですか。」

これは、漢字を学習し始めた外国人から必ず出る質問です。

こんな質問をされたら、日本人だって、「森=木が三つ」、「林=木が二つ」、
ということは、木が多い方が「森」で、木が少ないほうが「林」かな・・・と
考えますよね。

実は、ある時までは、私もそう考えていました。

しかし、TVで北海道の防風林を見た際に、「本当に木の数と面積なのか?」と
疑問を抱きました

北海道根釧台地 格子状防風林
(北海道根釧台地の格子状防風林)

木の数や面積を基準に考えれば、北海道の広大な大地に延々と続くあの木の
集まりは「森」ということができるレベルです。
しかし、私たち日本人は「防風森」と言わず、「防風林」と言います。
なぜか?

色々な国語辞書で調べましたが、どの辞書も「面積と木の数の違い」という
ような説明しかありません。
しかし、例示で載っている熟語の違いに気づきました。

例えば、「林」では「竹林/松林/杉林」という熟語が例として載っています。
しかし、「森」には「竹森/松森/杉森」なんて言い方はありません

ここに、「林」と「森」の使い分けのヒントがあるのではないでしょうか。

つまり、私たち日本人は
「林」=「ある同じ種類の木が集まっている所」 
と捉え、
「森」=「様々な種類の木が集まってる所」
と無意識の内に区別しているのではないでしょうか。

そう考えると、「色々な木が集まっている林」を言う時には、わざわざ
「雑木林」という言葉があるのに対し、色々な木が集まっているのが
当たり前な「森」については「雑木森」という言葉はないというのも、
理解できます。

更に、煙突がたくさん立ち並んでいる状態のことを「煙突の林」と表現し、
都会の建物(様々なタイプの建物)が密集している状態を「都会の林」では
なく、「都会の森」と表現するのも、理屈は通っています。

辞書の定義だけでは、わからないことも、実際にどう使っているのかを考える
と、日本人が無意識の内にどういう区別をつけているのかに気づき、面白い
ものです。

(余談)
林業の世界では、
「林」=「人の手が入ったもの」
「森」=「自然に生えているもの」
という区別をするそうです。


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「勉強したことにします」
2016-02-03 Wed 19:02
1月のレッスンのある日のことです。
その授業では、「今年の目標」をみんなで発表する時間がありました。

「日本人ともっとたくさん話します」とか、
「JLPT N1に合格して、もっといい仕事を見つけます」とか
それぞれの目標を日本語で発表しました。

そんな中で、ネパール人の学習者が、
「私は毎日漢字を勉強したことにします!」
と宣言。

クラスメイトも、先生も「え?」っと目が点になりました。
「勉強したことにします???」
クラスがざわざわし始めました。

宣言したネパール人のディパックさんは、どうしてクラスがざわざわしている
のかわからない様子。

そうなのです。
彼は、「勉強することにします!」と言うべきところを、
間違って「勉強したことにします!」と言ってしまったのです。

「~することにします」なら、これからの行為についての決定・決意を表し
ますが、「~したことにします」となると、本当はやってないのに、やったか
のようなふりをする意になってしまうのです。

「~する」か、「~した」かの小さな違いですが、意味は大きな違いになって
しまいます。

ディパックさん!
もちろん今年の目標は「勉強することにします!」ですね。
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「させていただく」の使い方
2016-02-01 Mon 22:05
最近、TVを見ていて、気になることがあります。

それは、「させていただく」の使い方

「させていただく」は謙譲語で、自分の行為が相手の許容の内にあるという、
へりくだった遠慮がちな気持ちを表します。
ですから、本来は相手に同意・許可を求める場面で使う言葉です。

しかし、最近はそうではない場面で使われることが多くなってきているように
思います。

例えば、
「(私は)今度、○○さんと結婚させていただくことになりました」
「私は○○を卒業させていただきます
「(私は)○○賞をとらせてただきました
のような使い方です。

「させていただく」という謙譲語を使うことによって、丁寧な感じを出そうと
しているのかと思われますが、こういう使い方を聞くと、
「いったい誰の許可を求めているの?」と違和感を覚えます。

結婚の許可を親にもらう場面では、「結婚させていただけますか」というよう
に、「させていただく」を使うのは不自然ではありませんが、結婚することが
決まってから、それを周りに伝える際に「結婚させていただく」というのは
「???」ではないでしょうか。

他にも、「金メダルをとらせていただきました」というのも、変ですよね。
金メダルは誰かの許可を得て、とるものではありませんから。

「させていただく」は日本人の価値観が詰まった、日本人らしい表現です。
単に「とにかく語尾につければ、丁寧な感じになる」というような曖昧な感覚
ではなく、場面に応じて使いたい
ですね。

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