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「隣」と「横」と「側(そば)」の使い分け
2016-05-30 Mon 22:04
「~が ~に あります。/います。」という表現を教えるときに、
「位置」の言葉を教えます。例えば、「上」、「中」、「下」などのように。

その中で、教師の提示の仕方が悪いと、外国人が混乱する言葉があります。
それが「隣」、「横」、「側(そば)」です。

例えば、
A)私のにジョンさんがいます。
B)私のにジョンさんがいます。
C)私の側(そば)にジョンさんがいます。
といった場合、「隣」、「横」、「側」はどう違うのでしょうか。

「隣」と「横」と「側」。
実は、明確な違いがあります。

「隣」というと、自分のすぐ近くの位置を思い浮かべる方が多いかと思います
が、実は、近い・遠いの距離は問題ではありません。
例えば、「韓国は日本の隣にあります。」といった場合を考えてみてください。
「距離」で言うなら、日本と韓国は明らかに「遠い」はずです。
また、牧場が多い場所に住んでいる人たちが、「ちょっと隣の家まで行って
くる」と言って、車で移動する・・という映像をテレビや映画などで見たことが
ありませんか?
これも「距離」で言うなら、明らかに「遠い」はずです。
しかし、私たち日本人はこれらの場面で「隣」と言っても、なんら不自然さを
感じません。
つまり、「隣」というのは、自分から見て横列にある「第一障害物のある位置」であって、「距離」は関係ないのです。

では、「横」はというと、自分から見て左右の横線上すべての位置を言います。
「隣」とは違い、ある一点の場所ではなく、線上の全ての場所が「横」になり
ます。
また、距離も関係ありません。自分からどんなに遠い場所でも、それが横線上の
場所なら「横」
と表現できます。
(例)地図で見ると、日本の横に韓国と中国とアメリカがあります。

最後に「側(そば)」ですが、これは「隣」、「横」と異なり「距離」が関係
します。
側は自分から近い範囲(手が届くぐらいの範囲)の場所を表す言葉です。
しかし、「隣」や「横」と違い、横列ではなく、自分を中心とした360°の範囲
全てです。

「隣」、「横」、「側(そば)」。
簡単にまとめると、次のように表すことができます。

隣:図の赤丸の位置。横線上にある第一障害物のある位置。「点」の言葉。
横:図の緑の横線の位置。横線上の全ての場所。「線」の言葉。
側(そば):図の青い丸の範囲。自分から近い範囲。「面」の言葉。


人や建物が密集している場所に住んでいると、「隣」、「横」、「側」は
同じように感じてしまいがちですが、実は、こんな違いがあるんですね。


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8時だヨ!全員・・・
2016-05-25 Wed 18:19
日本語教師と言う職業柄、世界各地の習慣を知る機会が多くあります。
今までも、このブログで紹介してきましたが、今日はタイの学習者が教えて
くれた習慣をご紹介します。

タイでは、1日2回、街中の人の動きが止まる時間があります
それは、午前8時と午後6時
この時間になると、歩いている人も、ランニングしている人も、自転車に乗って
いる人も、みんなピタッと立ち止まるそうです。

何でも、この時間に国歌が流れるので、国民は直立不動の姿勢で聞かなければ
ならない
のだそうです。
もし、立ち止まらない場合は「不敬罪」で逮捕されることもあるのだとか・・

タイ人の学習者がこの習慣をクラスで紹介した時、私だけでなく、世界各国から
来たクラスメイトもびっくりしていました。
食事中でも、勉強中でも、トイレにいても、必ず動きを止めて、直立不動の姿勢
で国歌を聞かなければならないのだそうです。

午前8時と午後6時と言えば、日本では通勤時間帯。
あの人の流れがピタッと止まる・・というのは、ちょっと想像できませんが、
タイでは毎日見られる光景だそうです。

タイに行く機会がある方。ぜひ、体験してみてください。
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「そして、」と「それから、」は何が違う?
2016-05-23 Mon 21:05
先生:「あなたは昨日何をしましたか?」
学生A:「私は朝7時に起きました。そして、散歩に出かけました。」
学生B:「私は朝7時に起きました。それから、散歩に出かけました。」


「そして、」と「それから、」。
私たちは行為を順番に列挙する時、この二つの言葉をよく使います。
日本語教育でもこの二つの言葉は初級レベルの日本語として教えます。
そうすると、必ず外国人から出てくるのが、
「そして、」と「それから、」は何が違うのですか?
という質問です。

上の学生Aと学生Bの答えを見る限り、「そして、」と「それから、」は同じ
ように感じる人も多いかと思われます。
しかし、次の例文ではどうでしょうか。

①-A 昨日は朝7時に起きました。そして、夜10時に寝ました。
①-B 昨日は朝7時に起きました。それから、夜10時に寝ました。

①-Bの文は、変な感じがしませんか?

では、この①-Bの文を次のように変えると、どうでしょうか?
①-B 昨日は朝7時に起きました。それから、すぐ寝ました。

日常のシチュエーションとしてはあまりないことかもしれませんが、
文としては、「夜10時に寝ました」よりは、「すぐ寝ました」の方がしっくり
きます。


ここに「そして、」と「それから、」の違いがみえます。

「そして、」と「それから、」はどちらも行為の順序を表しますが、
「それから、」の方は、「前の行為のその次に、●●をする」ことを表す時に
使います。
「朝7時に起きる」の次に続く行為が「夜10時に寝る」ということは、通常
ありませんから、ここでは「それから、」を使うと、変な感じがする・・という
わけです。


こんな話をすると、「そんなこと考えて話してないよ!」という方もいるか
もしれません。
しかし、私たち日本人は、何かを根掘り葉掘り聞きだしたい時は、相手に
「それから、それから」
と言って話を促し、そんなに詳しく知る必要がない時
は、「そして
、どうしたの?」と言っていませんか?
(ちなみに、興味がないと、「それで、」と一気に結論を求める言葉を投げかけ
ていますね・・・)

普段意識していなくても、日本人はきちんと使い分けているんですね。


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自腹の誕生日パーティー
2016-05-18 Wed 22:06
クラスの誰かが誕生日の時は、ちょっとしたお祝いをすることがあります。
みんなで花をあげたり、ケーキを持って来たり、クラス全員のメッセージが
書かれたカードと写真を送ったり・・・と。

日本人同士でも、仕事の後で食事に行って、お祝いすることもありますよね。
こういった場合は、主役の誕生日の人はお金は払わず、周りの人たちが払う
のが日本では多いと思います。

ところが、韓国では「誕生日パーティーの費用は誕生日を迎えた本人が払う」
のだそうです。

びっくり!!!

韓国の李さん曰く、「誕生日のプレゼントをもらうから、そのお礼として
パーティーを開いて、ごちそうします」とのこと。

この話が出たとき、イタリア人とロシア人の学習者が
「私たちの国もそうですよ。誕生日の人がお金を払います」

と教えてくれました。
「みんなへの感謝の気持ちとして、ごちそうする」のだそうです。

日本人はちょっと戸惑うかもしれませんが、「誕生日は感謝の気持ちを表す日」
というのは、素敵だなと思いました。

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「久しぶり」はどのぐらいの長さ?
2016-05-16 Mon 17:29
「2年ぶりに故郷に帰った。」
「1週間ぶりの雨です。」
など、「~ぶり」という言葉を私たちはよく使います。

この「~ぶり」は、時間や期間を表す語に付いて、以前そのようなことがあっ
て、今回また同じ状態になるまでに、どのぐらいの時間・期間が過ぎているかを表す言葉
です。
日本語を勉強する外国人たちも、もちろんこの「~ぶり」という言葉を勉強
します。その際、外国人が困るのが「久しぶり」という表現です。

「2年ぶり」や、「1週間ぶり」などは「2年」・「1週間」とどのぐらい時間
が経過しているかがはっきり示されているため、そう難しくはありません。
しかし、「久しぶり」はどのぐらいの時間・期間なのかが示されていないため、
外国人たちは「久しぶりはどのぐらいの時間の時に使うの?」と疑問に思うの
です。

手元の辞書で「久しぶり」を調べると、「前にそのことがあってから長い時間が
経過していること」とあります。この「長い時間」が曲者です。

一般的に「長い時間」と言われたら、3ヶ月とか、半年、1年などを思い浮か
べるでしょうか?
しかし、私たち日本人は、会社の同僚が1週間休んで出社してきた時に、
「お!久しぶり!」と言ったり、恋人同士で毎日電話している場合、
2日ほど連絡しなかった時に、「なんだか、久しぶりだね~」と言ったり
していないでしょうか?

つまり、この「長い時間」というのは、絶対的な長さではなく、状況や人間関係
に応じた相対的な長さ
なのです。
ですから、外国人にはこの「長い間」というのは、主観の長さであることを
理解してもらう必要があります。

毎日会社で顔を合わせることが当然な同僚であれば、1週間合わないことは
「長い間」と感じるから、「久しぶり」と言い、
一方、あまり会いたくない人に対しては、1週間ぶりにあったときに
「久しぶり」ではなく、「また、会った・・・」と思う。

言葉は自分の価値観を表すと言いますが、誰に、どのぐらいの期間で
「久しぶり」と思うかを考えると、自分の本音が見えて、面白いかもしれ
ませんね。
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よく使われる漢字ランキング
2016-05-11 Wed 16:49
日本に住んでいる外国人にとって、「漢字」は避けて通れないものです。
私たちが日本語を教える外国人たちも、テキストに出てくる順番に漢字を
勉強していくのですが、やはり「日常生活でよく見る漢字は早く分かるよう
になりたい!」という思いを持っています。

皆さん。
もし、外国人に「日本人が一番多く使う漢字は何ですか?」と聞かれたら、
答えられますか?
(数えたこともないので、分かりませんよね・・・。)

こういう外国人のリクエストに応えるためでしょうか、三省堂から面白い本が
出ています。
その名も、「日本語学習のための よく使う順 漢字2200」
この本はインターネット日本語サイトの漢字出現頻度を調査して、よく使われる
順に漢字を並べた本です。

それによると、日本人がよく使う漢字トップ10は、

1位 「日」
2位 「一」
3位 「大」
4位 「年」
5位 「中」
6位 「人」
7位 「会」
8位 「月」
9位 「本」
10位 「上」


だそうです。

今週はこれらの漢字を1日何回見るか数えてみても、面白いかもしれませんね。

もっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧下さい。
(大きな図書館にはあるかもしれません)
★「日本語学習のための よく使う順 漢字2200」
三省堂よく使う順漢字2200





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