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辞書から分かる日本語の語彙の特長
2016-10-17 Mon 18:26
読書の秋ですね。
皆さんはどんな本を読んでいますか?

「本」と言って良いのかは「?」マークのつくところですが、今日は
「辞書を読む」ことでわかる「日本人の知らない日本語の仕組み」を
ご紹介したいと思います。

皆さんのお手元にある国語辞書は、言葉の意味や使い方を知りたい、
確認したいときに使われることが多いかと思います。
しかし、ちょっと見方を変えると、日本語の特長が分かる面白い書籍です。

では、どう見るのかというと「日本語は何行の言葉の数が多いのか」という
視点です。

辞書の側面(辞書を引くときに見る背表紙の反対側です)を見てください。
行ごとに灰色などで色を付けて分類されていると思います。

そうすると、あることに気づきます。

それは、
「日本語はア行からサ行までの言葉のページが多い
ということと、
ヤ行以下の言葉のページは少ない
ということです。

ちなみに、私の手元にある明鏡国語辞典は、語彙の総ページ1784ページの
963ページまで、つまり全体の半分以上が「ア行~サ行」の言葉で占められて
います

一方、ヤ行以下の語彙のページはたった137ページ。全体の約8%です。

更に、面白いのは、「ヤ行~ワ行」のなかでもラ行の語彙は漢語と外来語
ばかりで、和語はほとんどありません

つまり、昔の日本語は「ラ行の音で始まる語彙はほとんどなかった」ということが分かります。

辞書もこういった見方をすると、日本語の特長が分かる面白い「読み物」に
なります。

秋の夜長。
皆さんのお手元にある辞書を「読んで」みてはいかがでしょうか。


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外国人登録者数、過去最高を更新!
2016-10-12 Wed 18:14
先月末、法務省から最新の外国人登録者数が発表されました。

それによると、平成28年6月末現在、日本に住む外国人は、
230万7千388人となり、過去最高を更新しました。

この数、実は、平成27年末と比べて、約7万5千人も増えているのです。
凄いですね!たった半年で、7万人以上も増えているのです!!
このままいくと、年間の増加数も、昨年の+11万人を超えそうですね。

更に、ある特定の都市で増えたのではなく、全国47都道府県すべてで増加
しているのです。

そして、今、日本に住んでいる外国人の皆さんは、どの国から来たのか?
ですが、驚くことなかれ、なんと!
世界194か国から日本に来たんです!!!!
(ちなみに、世界の国の数は195か国です)

これだけの色々な国の人が日本に集まり、生活している。
当然、彼らは「日本語」が必要になります。

「日本語教育」とか、「国際交流」、「異文化理解」は、自分とは関係ない話
ではなく、手を伸ばせば、すぐそこにある話になっているのではないでしょ
うか。



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「本だぜ」、「読むぜ」、「おもしろいぜ」、「好きだぜ」
2016-10-05 Wed 23:28
「本です」、「読みます」、「おもしろいです」、「好きです」・・・。
いわゆる「です・ます」の文で日本語の勉強を始めた外国人も、初級の半ばで
「です・ます」ではない常体の言い方を勉強します。

つまり、
「本です」は「本だ」、
「読みます」は「読む」、
「おもしろいです」は「おもしろい」、
「好きです」は「好きだ」、
というように常体に変えていきます。

その勉強を始めたアレックスさん。
日本のアニメの見すぎなのか、なぜか文末に「ぜ」を加えてしまいます

「これは本だ。」、「私は本を読む。」、「この本はおもしろい。」、
「私はこの本が好きだ。」というように・・・。

「ぜ」は必要ないことを注意した直後は直るのですが、しばらくすると「+ぜ」
の言い方に。

なんだか、お笑い芸人のスギちゃんが教室にいるようです。


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「~うちで」と「~なかで」
2016-10-03 Mon 23:18
「私は果物のうちで、マンゴーが好きです。」
と言われたとき、違和感を覚える方は多いのではないでしょうか。

日本人であれば、
「私は果物のなかで、マンゴーが好きです。」
と言う人がほとんどかと思います。

この「~うちで」と「~なかで」
日本語教育では、ほとんどの初級のテキストで「~なかで」が出てきますので、
外国人も「~なかで」をよく使います。
その後、中級以上のレベルで、「~うちで」を学習するのですが、これが出て
くると「~うちで」と「~なかで」の使い方の混乱が起きるのです。

どちらも範囲を表す時に使う言葉ですが、最初の「果物のうちで、マンゴーが
好きです。」より、「果物のなかで、マンゴーが好きです。」と言った方が自然
だと感じるということは、日本人は「~うちで」と「~なかで」を使い分けて
いる
ようです。

では、どう使い分けているか・・・というと、
ある時間や期間、数量の範囲を表す時は「~うちで」
それ以外は「~なかで」
というルールがあります。

例えば、
「1日のうちで、一番渋滞するのは午前8時ごろです。」
「1年のうちで、8月が一番暑いです。」
「300人のうちで、次の審査に進めるのは5人だけです。」
「スポーツのなかで、サッカーが一番好きです。」
「このカタログに載っている物のなかで、何が一番欲しいですか。」
というように。

初級で「~なかで」を学習する外国人は、「~うちで」というところを
「~なかで」と言ってしまう傾向がありますが、最近は日本人でも
「~うちで」ではなく、何でも「~なかで」で済ませてしまう傾向もある
ようです。

ですが、ある時に、「ん?何か変だぞ」と感じるその感覚を大切にし、
使い分けできるようになりたいものですね。
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志村けん さん
2016-09-28 Wed 22:10
ネパール人のサグンさんの最近のお気に入りは「志村けん」さんのコント
日本語はまだ勉強し始めたばかりなので、何を話しているかはよく分からない
そうなのですが、とにかく「彼のコントは面白い!」のだそうです。

You Tubeでドリフターズの頃のものから、バカ殿様、ひとみばあさんなど
たくさん見ていますが、一番のお気に入りは「変なおじさん」だそうです。
よく教室で踊りをまねしています。

この「志村けん」さん。
実は、日本語を勉強する外国人の間でも「面白い!」と人気者
日本語が分からなくても、見ていてとても面白いのだそうです。
彼の笑いは言葉を超えた世界に共通するなにかがあるのでしょうか。

志村けんさんのコントは、日本の子供にも大人気ですよね。
理解できる言葉が大人より少ない子供でも分かる「笑い」。
そう考えると、外国人が「志村けんは面白い!」と大笑いするのも
納得できます。


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「ら抜き言葉」は理由があります。
2016-09-26 Mon 22:45
先週、ニュースや新聞で文化庁の「国語に関する世論調査」が発表され、
「ら抜き言葉」をつかう人が初めて多数派になったと報道されました。

「ら抜き言葉」。
見れる、食べれる、寝れる・・などの「れ」の前の「ら」が脱落した言い方
です。
一時期、日本語の乱れの象徴として叩かれましたが、今ではアナウンサーも
原稿を離れたトークなどの場面では話していますし、画面に出るテロップも
「見れる」となっていることがあります。
(私も、「辛い物は食べられない」と言った時に、「食べられない?どこの
方言?」と真面目な顔で日本人に質問されたことがあります・・・。)

実は、この「ら抜き言葉」
日本語教師の間では、「理由のある現象」として捉えられています。
(なんていうと、「ら抜き言葉、絶対認めない!」と言っている先生方に
怒られそうですが・・。)

今日は、どうして「ら抜き言葉は理由のある現象」として捉えられているかを
お話したいと思います。

「食べられる」

これだけを聞いて、皆さんは「可能表現」か、「尊敬表現」かの区別が
つきますか?
 

私は「これだけでは、どちらか分かりません」という答えです。

そうなのです。
この「~られる」という言い方は、可能表現と尊敬表現の両方で使われる厄介な
もの
なのです。
特に、会話で主語を省略する傾向のある日本語は、「食べられる」だけで
話すこともあるので、外国人にとっては、「可能?尊敬?」と混乱を招く原因
となっています。

また、この「ら抜き言葉」は「上一段活用」と「下一段活用」の動詞と「来る」
の可能表現だけに表れる現象
です。
動詞の多くを占める「五段活用」の可能表現は、「書ける」、「読める」、
「話せる」のように、「らを入れない」のです。
要するに、動詞の多数は「ら」を入れずに可能を表すのに、ある限られた動詞
のみ「らを入れなければならない」というイレギュラー
が生じているのです。
(日本人はこれをイレギュラーと考えないかもしれませんが、日本語を外からの
視点で見ている外国人は「ら有り言葉=イレギュラー」と捉えています)

まとめると、

①「見られる」、「食べられる」のように「ら有り(?)言葉」では、
  可能表現か、尊敬表現かの区別がつかないので、
  その区別を付けるために可能表現の時に「ら」の脱落が起きている

②動詞の大部分を占める「五段活用」の可能表現のルール同様、「上/下一段
  活用」、「来る」も「ら」をつけない変化をさせた結果
が「ら抜き言葉」

ということが言えます。

こう考えると、この「ら抜き言葉」も、それなりの理由がある現象だと言える
のではないでしょうか。

「ら抜き言葉」は、現在「日本語の揺れ」として扱われているので、日本語の
テキストにも「ら有り言葉」が載っています。
(最近は、「ら」が脱落することがあることを説明しているテキストもあり
ます)
ですから、私たち日本語教師も「ら有り言葉」を教えますが、「ら抜き言葉」が
多数派になったという調査結果を受け、「ら抜き言葉」が認められる日も遠くは
ないと感じます。

「食べれる」は可能表現、「食べられる」は尊敬表現と「ら」の有無で分かる
ようになれば、日本語を勉強する外国人は「分かりやすい!」と思うのでは
ないかと感じています。
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